日本人の寿命は延びたけれど・・・

葛飾区青戸の小林はりきゅう院 小林潤一郎です。

先日、日本東洋医学会専門医制度委員会主催の学術講演会に参加いたしました。

東洋医学は鍼灸と漢方薬が両輪と言われていますが、数千年前に始まった医学が、なぜ体に効くのかを現代科学の目で検証すると、なるほどという話が随所に出てきました。分析する機器や技術を持たなかった昔から、現代まで鍼灸や漢方薬が伝えられてきたのは、患者さんが「楽になった」「元気になった」という事実の積み重ねによると、思いを馳せました。

鹿児島大学の丸山征郎先生の講演で、大事な指摘と感じたことがありました。それは、日本は寿命は世界のトップクラスに伸びている一方で、人生の最後の10%の期間を要介護状態で過ごしている、ということです。この要介護状態には段階があり、寝たきりだけを示しているわけではないと思いますが、英・米などの国ではその期間が1%だということでした。

2025年問題と言われる、高齢社会の広がりの中で、健康寿命を如何に伸ばしていくかが今後の課題で、鍼灸も役に立てると考えています。