口の中が痛い三叉神経痛と鍼灸

 こんにちは。東京都葛飾区青戸の鍼灸師 小林潤一郎です。

 80代の女性、2ケ月前から下の歯茎の奥に痛みがありました。病院から処方されている痛み止めを1日に3回飲むのですが、痛みのために口を開けるのも大変といった状況だったそうです。医師からは、「三叉神経痛による痛みで鎮痛剤を出すが、根本的な治療は手術しかない」と言われていました。この歳になっての手術に抵抗感を感じ、若い頃に鍼灸治療を受けたことを思い出し、今回の当院への来院となりました。

 三叉(さんさ)神経は、顔の感覚と咀嚼筋の運動に関与しています。脳を出発し文字通り眼神経・上顎神経・下顎神経の3つに分かれます。このうち下顎神経は枝分かれして下歯槽神経となり下の歯茎に行っています。 今回の患者さんの場合この下歯槽神経の痛みであると考えられます。

 鍼治療は、弱っている腎の力を高めるために足のツボ復溜(ふくりゅう)や首から上の痛みによい合谷などに行い、肩こりもあることからその治療もしました。ほぼ毎日の治療で4日目から痛みが和らぎ、1週間たった現在は薬はほとんど飲んでいないという事です。