「龍馬伝」で岩崎弥太郎が受けたお灸とは

こんにちは。東京都葛飾区青戸の小林はりきゅう院 小林潤一郎です。

 先月に放送されたNHK大河ドラマ「龍馬伝」で香川照之さんが扮する岩崎弥太郎がお灸を受けるシーンがありました。私はその技術指導で収録に立ち合いました。治療を行う「千葉灸治院」のセットは実に精巧にできていました。例えば机の上には漢文でかかれた医学の本があり、映ったとしても表紙くらいでしょうから、ここまでこだわるのかと感心致しました。

 胃の痛みに対して貫地谷しおりさんが扮する千葉佐那が、背中にあるツボ左右3か所ずつ合計6か所にお灸を据える場面です。これは、「胃の六つ灸」といって実際の治療でもよく行われるものです。ドラマでは生姜灸を行いました。スライスした生姜のうえにもぐさをのせ、お線香で点火するものです。貫地谷さんは事前にスタッフの方と私で行ったお灸のビデオ撮影をもとにイメージされ本番に臨まれたそうです。それでツボ取りから点火まで見事な手さばきでやっておられました。本来、生姜灸は温かく心地よいものです。しかし台本には熱がるようになっていたので、香川さんの迫真の演技で、ご覧になった方はきっと熱いと思われたことでしょう。